伝説の水彩画「赤りんご」レクチャーノート wet on wet

    2009/ 02/ 12
                     
    ならざき清春大阪講座

    レクチャーノート (第1、2期生配布)

    初級者コース

    青りんご:

    1.水張りした水彩用紙に,鉛筆で青りんごの輪郭をとる.
    中心線を意識してほぼ左右対称になっていることに注意しながら描く.
    青りんごは赤りんごほど真ん丸ではなく下細りの面長である.

    2.サップグリーンとニュートンのオーレオリンの混色で作った黄緑でりんごを塗り,それが濡れているうちに,同じ色を濃く暗くした絵の具でりんごの下部に陰影を入れる.

    筆を洗い水をよく切った筆の先端で細かい線をいっぱい引くように濃く暗い絵の具を引き伸ばし影のグラデーションをつける.
    最も暗い部分には,この濃く暗いグリーンにローズマダーを少量入れて作ったグレイも用いる.
    そののちいったん乾燥.

    3.オーレオリンを薄くのばしたもので全体をウヲッシュして,りんごに新鮮さを出す.
    いったん乾燥.

    4.次は芯の部分の凹みの表現.
    鉛筆で輪郭描きするとき,芯のへこみ部分を右図のような逆への字で表しておく.
    そして,図の斜線部を綺麗なみずで濡らし,そこに2の暗く濃いグリーンをたらす.
    中心部にはもっと濃い(ローズマダーが少量はいった)グリーン(グレイ)をのせる.
    いったん乾燥.

    ringo1_20100211211232.jpg
    ringo2.jpg


    5 トレーシングペーパーをりんごの形にくり貫き,りんごの周囲をマスク.
    そして,グリーンにローズマダーを少量混色してつくった,多少赤みがかったグリーンを筆にふくませ,もう1本の筆を左手に持ち,その柄を絵の具を含ませた筆でコンコンコツコツたたく.

    するとりんごのうえに飛沫が散り,斑点になる.
    水を含ませた綿布でところどころおさえて斑点に強弱をつける.
    いったん乾燥.

    6.芯の枝は薄く彩色.濃く塗ると重たくやぼ.そのうえで2箇所ほどにアクセントを枝にいれる.

    7.幅3ミリほどの豚毛のブラシで明るく光る部分をこすってこすって絵の具を洗い出し,ハイライトをいれて,おいしそうな(?腕次第ですが)青りんごの完成!

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    赤りんご:

    ならざき先生のお話しでは,こちらはかなり高級な技だということです.

    1.水張りした水彩用紙に,鉛筆で赤りんごの輪郭をとる.中心線を意識してほぼ左右対称になっていることに注意しながら描く.
    赤りんごは青りんごと異なりほとんどど真ん丸である.

    2.1のりんごをニュートンのオーレオリン(場合によってはローシェンナなどと混色したもの)で塗る.


    3.2の塗りが乾かないうちに,バーミリオンのような明るい赤で,りんごの球体を表現する地球儀の経線を入れる.

    ただし,この場合地球儀のような長い経線を入れると,ビーチボールになってしまうので短いストロークでつないでゆく(下図,へたくそですが).


    ringo3.jpg


    さらに,地塗りの黄色が濡れた状態で,今度はローズマダーのような暗い赤で,主に下部に経線を入れていく.りんごの暗い部分の表現だ.

    次に,綺麗に洗って水を取った筆の先端で,グラデーションを整えていく.

    このとき,りんごに経線状の赤が多少残るが,wet in wet で溶け込んだ感じでもある.
    まったく経線が消えてしまうわけでも,そのまま残るわけでもない.

    地塗りの絵具の濡れ具合,乾き具合の見極めなのでしょうが,このあたりのさじ加減が高級技である所以だろう.

    4. 芯の凹みの表現,芯の技の描き方は青りんごと同じである.


    文責 関西のおやじ

    完成図

    ringo.jpg
    END
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